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工務店経営実態調査結果の概要

回答工務店の概要について

  • 回答工務店の法人形態は株式会社(60.1%)が最も多く、資本金は1,000万円〜5,000万円未満(55.5%)が最も多い。
  • 回答工務店は、一戸建注文住宅を施工している工務店が86.6%と最も多く、このうち92.9%が在来木造住宅を受注・生産している。年間施工数規模は1〜4戸の工務店が50.0%と比較的規模の小さい工務店が多い。
    なお、一戸建注文住宅とあわせて、リフォームを実施している工務店は51.8%であり、年間施工数規模の小さい工務店ほどリフォームを多く実施している。

法人形態 (表1参照)

回答工務店の法人形態は、「株式会社(60.1%)」、「有限会社(28.7%)」、「個人事業者(10.6%)」

資本金 (表2参照)

資本金は、「1,000万円〜5,000万円未満(55.5%)」、「200〜500万円未満(20.4%)」、「500〜1,000万円未満(14.2%)」

経営規模等

施工実績(平成11年度) (表4,5参照)

一戸建注文住宅の年間施工数は、「1〜4戸(前回39.1%→今回50.0%)」、「5〜9戸(前回21.8%→今回24.5%)」、「10〜15戸(前回15.0%→今回14.2%)」、「20戸以上(前回16.9%→今回10.9%)」
前回調査と比較すると、年間施工数「20戸以上」の工務店が減少し、「1〜4戸」の工務店が増加
回答工務店の年間施工数は、住宅着工戸数を反映してか前回調査と比較すると減少傾向
リフォーム工事を実施している工務店は51.8%
一戸建住宅の年間施工数「1〜4戸(56.1%)」「5〜9戸(55.3%)」と比較的規模の小さい工務店がリフォーム工事に取り組む割合が高い

住宅の工法(平成11年度実績) (表6参照)

一戸建注文住宅の施工実績のある工務店のうち大多数(94.4%)が在来木造を施工
在来木造の施工実績のある工務店のうちツーバイフォー工法も手がけた工務店は9.0%、その他工法も手がけた工務店は12.4%

施工の平均像(平成11年度実績) (表7参照)

建築費単価(外構工事費を除く)は14.6万円/?(前回14.8万円/?)
床面積は133.9?(前回134.0?
大工・人工数は1.2人/?(前回1.3人/?)
工期は4.0ヶ月(前回4.3ヶ月)
大工・人工数及び工期の短縮が特徴的であり、生産性の向上が認められる。

粗利益率 注 (表8,9参照)

元請工事の粗利益率は「15〜20%未満(前回30.7%→今回29.3%)」「10〜15%未満(前回26.3%→今回27.8%)」「5〜10%未満(前回9.2%→今回21.4%)」「20〜25%未満(前回19.9%→今回11.9%)」
前回調査と比較すると、元請工事の粗利益率は「5〜10%未満」が増加し、「20〜25%未満」が減少
下請工事の粗利益率は「5〜10%未満(前回27.0%→今回42.3%)」、「10〜15%未満(前回35.3%→今回22.0%)」、「5%未満(前回13.8%→今回20.5%)」「15〜20%未満(前回16.0%→今回11.0%)」
前回調査と比較すると、下請工事の粗利益率は「5%未満」「5〜10%未満」が増加し、「10〜15%未満」「15〜20%未満」が減少
元請工事、下請工事ともに粗利益率は前回調査と比較して減少傾向
注)
粗利益 =元請け金額−(資材費+外注費+労務費)
粗利益率=(粗利益÷元請金額)×100

経営の現状と事業展開の方向

  • 経営状況の自己認識は「うまくいっている(16.2%)」、「普通(53.2%)」「悪い(30.4%)」となっており、「悪い」と認識する工務店は平成7年度に実施した同調査結果(以下「前回調査」)の21.3%より増加している。
  • 事業展開の方向は「リフォームの受注(68.4%)」が最も多い。
  • 具体的な展開としては以下の点が特徴的である。
    • グループ(FC、組合など)への加盟
    • 性能に着目した商品メニューへの取組み
    • プレカット工法の採用による施工の効率化
    • CADの導入による設計の効率化
    • 標準プランの設定

経営状況の自己認識 (表10参照)

「うまくいっている(16.2%)」、「普通(53.2%)」「悪い(30.4%)」
前回調査と比較すると、経営状況は「悪い」と認識している工務店が増加(21.3%→30.4%)
経営状況について「普通」と認識する工務店が多いなか、資材発注・施工等の合理化への取り組みやすさを反映してか、年間施工数が多くなると経営状況について「うまくいっている」と認識する工務店が多くなっている。

経営状況の自己認識

経営方針 (表11参照)

「現状の事業範囲で成長を図る(54.5%)」「他の事業分野も取り組み成長を図る(22.4%)」「現状の事業を維持する(22.3%)」
前回調査と比較すると、「現状の事業を維持する」が増加(13.8%→22.3%)

事業展開の方向 (表12参照)

「リフォーム工事の受注(68.4%)」、「不動産事業(27.6%)」、「グループ(FC、組合など)への加盟(25.9%)」
「リフォーム工事の受注(前回64.5%→今回68.4%)」が前回同様多いが、中小工務店が規模の大きい工務店への対抗手段の一つと言われている「グループ(FC、組合など)への加盟(前回12.6%→25.9%)」は前回調査から倍増していることが特徴的である。

具体的な展開

グループ(FC、組合など)への加盟 (表14参照)

FCへの加盟動機は「営業力の強化(56.5%)」、「住宅商品を求めて(49.4%)」「施工の合理化(36.0%)」、「ブランド力の活用(33.3%)」
グループへの加盟動機から、中小工務店が規模の大きな工務店と対等に事業を展開していこうとする試みが伺える。

商品メニューへの取組み (表15参照)

現在取り組んでいる商品メニューは「高耐震・高耐久住宅(41.8%→59.2%)」「高齢者住宅仕様(28.9→50.4%)」「高気密・高断熱住宅(27.7%→50.3%)」、「健康住宅(38.9%)」
今後取組みを予定している工務店を加えると「高耐震・高耐久住宅(93.6%)」「高齢者住宅仕様(92.9%)」「高気密・高断熱住宅(82.0%)」、「健康住宅(81.9%)」
「高齢者住宅仕様」、「高気密・高断熱住宅」の増加が顕著で、総じて割合が増加
前回調査と比較して、建築費単価は変わらないものの、幅広く住宅性能に着目した住宅供給を行おうとする実態が伺える。また、最近注目されている「健康住宅」への取組みも高水準である。

商品メニューへの取り組み

施工効率化の取組み (表16参照)

現在の施工効率化の取組みは「プレカット工法の採用(59.2%)」「工程管理の徹底(47.8%)」「技能者の技術力向上(45.5%)」
「プレカット工法の採用」と回答した工務店は前回調査の約1.5倍(38.4%→59.2%)
今後取組みを予定している工務店を加えると「プレカット工法の採用(84.5%)」「工程管理の徹底(93.9%)」「技能者の技術力向上(87.1%)」

設計効率化等の取組み (表17参照)

現在の設計効率化の取組みは「CADの導入(62.1%)」「設計事務所と連携(47.5%)」「自社住宅商品の標準プラン(35.1%)」
「CADの導入」と回答した工務店は前回調査の約1.5倍(39.9%→62.1%)
今後取組みを予定している工務店を加えると「CADの導入(93.1%)」「設計事務所と連携(78.2%)」「自社住宅商品の標準プラン(80.5%)」

パソコン等を利用した事業の合理化(表18参照)

94.6%の工務店がパソコンを導入
パソコン等を利用している具体的内容は「見積り(77.4%)」、「設計(CAD)(63.0%)」、「営業(CAD)(51.3%)」、「電子メールの利用(31.7%)」

法律・公的制度への取組みについて

  • 消費者契約法への対応は、「契約締結時に商品等に関して事実と異なることを告げないように注意している(51.5%)」としているが、知らないとする工務店(10.3%)が一定にみられる。
  • 住宅性能表示制度の認知度は高く、住宅性能表示制度の活用メリットは「顧客からの品質に対する信頼が高まる(80.1%)」としており、今後当制度の普及促進が期待できる。

消費者契約法施行に向けての対策 (表19参照)

「契約締結時には商品等に関し事実と異なることを告げないように注意している(51.5%)」
「特に対応していない(25.6%)」「そのような法律があることを知らなかった(10.3%)」

住宅性能表示制度について (表19参照)

住宅性能表示制度の認知状況 (表20,21)

「だいたい知っている(73.0%)」、「大変良く知っている(13.8%)」

住宅性能表示制度の認知状況

住宅性能表示制度の導入について (表22参照)

「施主の要求があった場合は、評価機関の評価を受ける(66.1%)」「自社物件については全て評価を受ける予定(11.6%)」、「原則として、全て自己評価は行う予定(9.0%)」

住宅性能表示制度に対応する理由 (表23参照)

「顧客からの品質に対する信頼が高まる(80.1%)」「自社の品質を顧客にアピールできる(54.4%)」

住宅性能表示に対応するための体制整備 (表24参照)

「性能表示対応を支援する民間機関との連携(40.5%)」、「設計事務所との連携(40.4%)」「住宅性能表示制度に対応した標準仕様書を設定し施主の求めに応じて修正していく(39.5%)」

木材の品質管理等について

  • 木材寸法に関する施主とのトラブルは、「乾燥収縮によるトラブルがあった(8.0%)」、「図面等の寸法表記と実寸法が違っていた(3.8%)」があげられる。
  • 木材の発注方法は、現在は「全て呼称寸法で発注している(46.9%)」が最も多いが、今後の方針は「全て削りしろを見込んだ寸法で発注する(38.9%)」が最も多い。
  • 現在、トラブルの要因となりかねない、呼称寸法・ひき立ての概念から実寸確保への移行が伺える。

木材寸法に関する施主とのトラブル

トラブルの発生状況 (表25参照)

  • 「乾燥収縮によるトラブルがあった(8.0%)」、「図面等の寸法表記と実寸法が違っていた(3.8%)」

トラブルの原因 (表26参照)

  • 「仕上げ加工・乾燥収縮による寸法の減少(45.2%)」、「呼称寸法である旨を表記してなかった(42.9%)」

設計図書等に記載する構造材の寸法表記方法の現状と今後(大壁の柱) (表27参照)

  • 現在の寸法表記方法は「呼称寸法とし、その旨を明記している(41.5%)」、「呼称寸法として、特段注記していない(27.7%)」「実寸法としている(23.0%)」
  • 今後の寸法表記方法は「呼称寸法とし、その旨を明記する(43.1%)」、「実寸法とする(28.7%)」「呼称寸法として、特段注記しない(17.8%)」

木材に関する発注寸法の現状と今後(大壁の柱) (表28参照)

  • 現在の木材を発注する際の寸法は「全て呼称寸法で発注している(61.6%)」「全て削りしろを見込んだ寸法で発注している(20.9%)」「部分的に削りしろを見込んだ寸法に発注している(9.4%)」
  • 今後の方針は、「全て呼称寸法で発注する(54.0%)」、「全て削りしろを見込んだ寸法で発注する(26.5%)」、「部分的に削りしろを見込んだ寸法に発注する(13.1%)」と、今後は実寸法による発注へ移行する傾向

木材寸法に関する発注寸法の現状と今後